【クリエイター講座受講生作品】
日本マグネット吹矢協会 理事長
藤森 常昭さん
「パーン」という心地よい音とともに、吹矢が的にあたる。
そして、従来の吹矢のように的から落ちることはない。
これは「マグネット吹矢」。諏訪で生まれたこの競技が、高齢化や核家族化の進む日本で健康寿命の伸長や世代を超えたコミュニケーションのツールとして注目されています。
「マグネット吹矢がもたらした功績は、健康増進やレクリエーションだけでなく、《ご高齢の方たちのコミュニティ創出》にも大きな意味があったんです」—————
笑顔で語ってくださったのは、開発者である藤森常昭さん。そのお言葉の一つ一つに、マグネット吹矢に対する熱い想いが溢れていました。開発から完成までの緻密な調整や競技の普及状況、そして今後のさらなる展望などについてお話を伺いました。
−−Q.マグネット吹矢を開発することになったきっかけは?
平成23年に、友人が吸盤式の吹矢を持ってきてくれたことがきっかけです。面白いと感じましたが、的に当たった時の音が物足りなかったことと、時間が経って乾燥すると落ちてしまうことが気になっていました。私はアルミ製品を加工する会社をやっていましたので、本業の技術を活かして改良してみよう、と決意しました。
−−Q.矢にマグネットを使おうと考えたきっかけや、開発でご苦労された点は?
先端にマグネットを使用することは、開発を始めてすぐに思いつきました。単純だけど当たり前のことが発想に繋がったりするんです。普段からアルミを扱っていたことも影響したかもしれません。
開発でまず苦労した点は、マグネットのサイズですね。最初に使用した4㎜は小さいため着盤した後に落ちやすい。6㎜だとしっかりと盤に着くが、矢自体が重くなりすぎる。矢を吹いた時にちょうど良い放物線を描いて着盤するよう調整して、最終的に5㎜のマグネットに落ち着ききました。
また、着盤した時に先端のマグネットとアルミの矢部分をつなぐ部分が外れやすかったことも苦労しました。金型を作ってもらった諏訪市のゴム成型会社に、金型からはがれやすくするシリコン材を調整してもらうなどして、接着強度を確保しました。
他にも、ゴムの間に空間をあけるように真鍮の釘を使ったり、衝撃を吸収するために絶縁チューブを入れたり、実は細かな工夫をいくつも凝らしています。デザインが良いだけではモノは売れません。売れるモノというのは、需要がないと売れないんですよ。そのため、徹底的にこだわって現在の姿を完成させました。
−−Q.マグネット吹矢はどんな場所で活用されているのでしょうか。また、競技することの効果やメリットはありますか。
主に、介護施設などでリハビリやレクリエーションとして活用されています。競技自体も簡単ですし、用具もコンパクトで安価。準備も片付けもラクなので、今後さらに普及していくかもしれません。
わりと軽い息で簡単にできるので、喋ることが困難だった方や車椅子の方でも矢を吹くことができます。みなさん、吹矢が当たるとすごく元気になるんですよ。マグネットが的に当たる時の「パーン」という心地よい音が、自信をつけてくれるようです。
マグネット吹矢はそもそも武道ではないため、礼儀や型をそこまで重んじていません。気楽に、楽しく行うことができます。こうした気軽さが、リハビリに取り組む方の自信に繋がったり、ご高齢の方のコミュニティを創出したりしているのでしょうね。諏訪の「とちの木ひろば」で2週に一度マグネット吹矢を実施していますが、60代70代のみなさんも楽しそうにおしゃべりをしながら取り組んでくださっています。
−−Q.今後、マグネット吹矢がどのように広がっていったら嬉しいですか?
今後、介護施設などでさらなる普及が進んでいくだろうと感じています。また、国外では台湾で大会が行われていますが、「ニンジャ」の流行などがきっかけで海外からの引き合いもあり、報道も積極的に取り上げてくれています。
私自身は、今後後継者として一緒に普及促進を進めてくれる人を探していて、県内各地に積極的に出向いています。新しい取り組みも行なっていて、最近では長野市の空手教室と協力し、子どもたちの集中力アップのためにマグネット吹矢を活用してもらっています。空手で賞を取れなかった子が、吹矢で賞を取れた!とやる気になり、教室に通うのを楽しみにしてくれるようになった、という相乗効果も出ているようです。また、最近はカーペット会社の販売イベントで、会場のお客様をブースに呼ぶためにマグネット吹矢を取り入れてくれた事例もあります。導入のハードルが低いので、いろいろな場所でコラボレーションが起こりやすいのも魅力の一つたど思います。
幅広い世代の人、海外も含めた人たちに、「マグネット吹矢」が浸透していくと嬉しいですね。
【文責】ヤツメディア
【クリエイター講座とは】
ヤツメディア(富士見町発のメディア企画・制作チーム)が主催する取材・ライティングスキル、動画スキル、そしてクリエイトスキルを磨いていくワークショップ型のスキルアップ講座です。2017年から2020年までの3年間、長野県元気づくり支援金事業として活動、のべ50人弱の方たちに受講していただきました。受講生作品は、sen-ninサイトへの原稿執筆、動画制作、冊子制作・配布、ラジオ出演など、さまざまなメディアで発信しております。
今回 小倉さんより、ご紹介 動画を作成
ありがとうございます。 日本マグネット吹矢協会 藤森 常昭
宜しくお願い申し上げます。
お倉さんより、 3月5日 講座発表された。
日本マグネット吹矢協会 理事長 藤森 常昭
今後ともよろしくお願いいたします。
素晴らしい 動画 感謝
藤森様
講座主催者ヤツメディア澤井です。この度の多大なるご協力、誠に感謝いたします。
マグネット協会のさらなる躍進、期待しております。またメディアを通じてなにかお役に立てることがありましたら幸いです。
ありがとうございました!